【うちの嫁のストゴ奮闘記】の嫁視点日記
ストリートファイター5を9月からはじめた初心者です。
興味を持つきっかけになったのは、夫が格闘ゲームをプレイして勝ち負けに一喜一憂しながら楽しそうにやりつづけているのを見て、同じ事を繰り返しているように見えるけれど、一体何が面白いんだろう?と疑問に思ったのがきっかけです。
格闘ゲームは初めてのプレイなので、パンチやキックが弱中強と3種類もあったり、歩きやジャンプ、ガードの動き等ちっとも分からなくて教えてもらっても混乱するばかり。最初は攻撃ボタンは中キックの1ボタンしか押せず、最弱設定のCPUにもなかなか勝てませんでした。
そんなド素人からスタートしたのですが、11月15日にランクマッチでブロンズになることができました。
まだまだ駆け出しで、人に見せられるようなプレイが出来る訳ではありませんが、1ボタンの頃からこの2ヶ月で自分の中で少しずつ変わってきた事を書いてみます。
まず、1ボタンだけでは勝てません。なので、トレーニングモードで一番簡単な必殺技の入力から練習をはじめました。
トレーニングで技が出るようになると、CPU対戦モードで試しましたがCPUとはいえ的は動いているのでなかなか思ったように技を当てられません。
盛大に空振りしてKOされてしまうような場面も少なくありませんでした。
それでも少しずつですが、出せる技が増えてCPUにもぼちぼち勝てるようになってくると、次は人と対戦をしてみたくなってきました。
ちょうどありがたいことに、格闘ゲームをはじめたよ。と話題に出すと「昔やっていたけれど、あなたがやりはじめたならやってみようかな。」と同じ初心者で格闘ゲームを始めてくれるMという友人ができたので、初心者同士でわいわいと対戦させてもらえました。
ただ、昔触ったことのあるMとはじめて1ヶ月も経たない初心者の私ではまだまだ実力に大きな差があり、楽しく遊べるけれどこちらが連敗し続けている。という状況でした。
ずっと勝てない状態が続くと、流石に心が折れかけてしまいます。どうして勝てないのか、何が不足してるのか良く分からず悶々とする日々。
お互い初心者なので、自分の事に精一杯で相手のここが強い、ここが弱い。等という話し合いにもならず、なんだか分からないけれど勝てる。なんだか分からないけれど負け続ける。という状態でした。
そんな時、アクションゲームはある程度経験者だけれど、格闘ゲームは初心者だよ。という友人Rがストリートファイター5を購入し、対戦してくれました。
アクションゲームが得意というだけあり、動きが早いキャラクターを使ってヒットアンドアウェイ戦法で上手にダメージを取ってきます。
こちらもなんとか捕まえてダメージを与えたいのですが、ままならず連敗。
ちょうど対戦をしながら、チャットで会話をしていたRが「接近されると大ダメージを与えられるから怖い。端はすぐスタンしそうになって怖いから必死で逃げる。」等対戦してみて自分が感じたことをありのままに教えてくれました。
私も、「なかなか捕まえられなくてもどかしい。すっと近づいてきて、気づいたら投げられてる。」と率直に伝えてみました。
すると、お互いに自分のプレイの強みと弱いところが少し見えてきました。
そして、自分が使っているキャラクターの特性や強みについてちっとも理解できていない。という事にも気づかされました。
最初に使用キャラクターを決めた動機は、見た目が可愛らしかったから。
お気に入りのキャラクターで可愛いコスチュームを着せてプレイできれば楽しい。それしか眼中になかったので、自分の操作しているキャラクターがどういう攻撃が得意で、どう動かせればダメージを与えやすいか等考えたこともありませんでした。
とにかく技を覚えて、技を当てさえすれば良い。という考えでしかプレイできていなかったのです。
Rと同時期にブロンズ帯の友人Aが何度か対戦してくれました。
Aは格闘ゲームの経験もあり、にわかの初心者がかなう相手ではありません。当然のように連敗したのですが、初心者同士で対戦している時とは違ってしっかり相手をしてしっかり倒される。そんな印象を受けました。
初心者同士だと、距離を離して遠くから飛び道具等でダメージを取る。という手法をよく使われていたのですが、Aは離れすぎず、近づきすぎず。反撃できないような間合いからパンチやキック、ジャンプ攻撃が飛んできます。
こちらから技をしかけても、ガードから反撃されて、もうどうしたらいいのだろうと途方にくれそうになる対戦でした。
対戦後、相手の攻撃に対してガードをしっかりすること。こちらが大振りな必殺技を多用しているので見てからガードしやすく反撃がやりやすかったこと。
隙の少ない通常攻撃のパンチやキックも使ってダメージを取るのも大事。というアドバイスをもらいました。
確かに、「当たればいいな。」で適当に必殺技を出してガードされたり空振りをして痛い反撃ダメージを取られる。リーチが長めのパンチやキックが飛んできてダメージを取られたり、出そうとした技を潰されたりしていたなと振り返りました。
友人達との対戦をふまえて、インターネット対戦のランクマッチにチャレンジしてみることにしました。
駆け出し初心者のランクはルーキー。世界中の同じ位のランクの人と対戦し、勝利すればポイントがもらえ、負ければポイントを失うルールです。
ポイント0からはじめる私には失うものは何もないので、まずは500ポイントでなれるブロンズを目標にしました。
チャット等で意思疎通ができる友人との対戦とは違い、顔も考えていることも分からない相手との対戦は正直、きついです。
こちらが初心者と分かると明らかに手を抜かれたり、ダメージが通ると分かったら同じ攻撃を何度も繰り返されたりして、そういう行為をされても反撃できず負けてしまう自分が情けなくなり、何度もインターネット対戦をやめようと思いました。
遊んでくれる友人もいるし、都合が合わなければCPU相手にしてるほうが気楽。と思ってひきこもっていた時期もあります。
でもやはり、友人もこちらが連敗し続けていたら気を使って別キャラクターにしてくれたり、落ち込んでいる様子を見ていたら「対戦しよう。」と声をかけ辛くなっていくだろうと思い、色んな人と対戦して力をつけなきゃいけない。と、歯を食いしばって少しずつランクマッチをしていました。
ポイントは一進一退、たまに勝ててもすぐ0に戻る日々。
ある日、夫の知り合いで私と同じくらいの時期にはじめた人が対戦してくれるかもしれない。という情報を夫が教えてくれました。
その人が使っているキャラクターを夫に使ってもらい、組み手をしているうちに突然「私、自分のしたいことばかり考えて、相手キャラクターをちっとも見ていない。」という事に気づいたのです。
勿論、相手あってのものですから全く相手を見ていないということはないのですが、視点の軸が自分キャラクターとその周辺のみになっている事に気づいたのです。
そこで、相手キャラクターに視点の軸を動かしてみたらどうなるだろう。と試してみたところ、相手が今何をやりたがっているのか、おぼろげながら見えてきました。
今、近づいてきたのは投げたいからだろうな。とか、距離が離れているからジャンプしたいかも。等ある程度推測できるようになってきたのです。
相手に視点を移すといっても相手ばかり見ている訳ではなく、自分キャラクターのより少し先の地点、ちょうど相手と自分の真ん中辺りをぼんやり意識して全体を見渡せるようになってきたのかな。と思います。
組み手しているうちに、「こんな風に見え出したよ。」と夫に伝えたところ「ランクマッチをしてみるといい。」と背中を押されたのでランクマッチをしてみると、負けの回数が減って無事目標のブロンズランクになれました。
まだまだ出来ない事も多く、知識も経験も不足していますが、これが2ヶ月格闘ゲームをしてきた私の気づきであり、成長なのかな。と思います。
ここまで成長できたのも、アドバイスをくれる友人。おおらかに温かく見守ってくれている夫、そして【うちの嫁のストゴ奮闘記】を読んで下さっている皆様のおかげです。
これからもゆっくりじっくり楽しんで格闘ゲームをやるつもりですので、よろしくお願いします。