格闘ゲームで負け続けていた頃のお話

 前回のブログでは格闘ゲームに興味を持って、ストリートファイター5でブロンズランクになれるまでの経緯を書きましたが、今回は連敗し続けていた頃に思った事、実践していた事、負け続けても格闘ゲームをやめなかった理由について掘り下げてみたいと思います。

 

 まず、格闘ゲームを触りだしてから数日で、これは習い事に似ているな。と思いました。

 私事ですが、昔15年ほど師匠について習い事をしていた時期があります。その習い事をはじめた時に感じた思いと今、格闘ゲームで味わっている気持ちは良く似ていると気づきました。

 習い事ならばお月謝を払ってその道のプロの師匠につくので師匠に言われたとおりの事をやっていればおのずと上達していくようにできています。

 しかし、格闘ゲームの世界にお月謝を払えば教えてくれる師匠はいません。私の場合身近に経験者がいましたが、夫は人に教えた経験も、教えられた経験もなかったようですし、格闘ゲームのストイックさを身を持って知っている人ですから私が格闘ゲームを触ってみたいと言った時、実際はかなり渋い顔をしていました。

 触り始めて、初心者同士の友人を誘って遊んでいた時も、「格闘ゲーム楽しい?楽しいならいいんだけれど。」と聞いてきたくらい心配していたようです。

 

 はじめは仲の良い友人に対戦してもらえるだけで嬉しくて楽しめていた私ですが、連敗が続くと「どうして勝てないんだろう。」と悩むようになります。

 ここが一番最初の壁でした。

 しかし、少し格闘ゲームを触ってみた感触で、昔習い事を始めた頃に似ていると思っていた私はべそをかきそうになりながらも師匠にお稽古をつけてもらっていた頃を思い出してひたすらトレーニングに励みました。なぜなら基本のお稽古はつまらないし苦しいけれど結果はいつか必ずついてくると知っていたからです。

 お稽古で出来ていることでも実際の発表会になると半分も実力がでないことってよくありますよね。対戦はいわば発表会のようなもの。大勢の視線の前だと緊張しますし、頭が真っ白になってしまうこともあります。トレーニングで出来なかったことが急に出来るようになる訳でもなく、初心者のうちはトレーニングの成果の半分も出せれば十分な場なのです。

 

 それを踏まえた上で必ずやっていたことは、対戦を振り返る時間を作ることです。今はインターネット対戦だとリプレイ機能というとても良い機能がついていますので、私はよく電源を落とす前に試合をリプレイで見直していました。

 この時せっかく攻撃が当たったのに続かなかったな。とか、この攻撃をガードできていれば勝てたかも知れない。等落ちついて見直していると反省点が見えてきます。

 反省点が見えると、この攻撃はどうやったら上手にガードできて反撃できるんだろう?という疑問もわいてきます。なぜだろうと思った事は調べてみたり、次回トレーニングする時にシュミレーションしてみようとノートにメモしていました。

 反省ばかりではつまらないので、自分を褒める時間もとても大事です。

 勝てた試合をリプレイしたり、やりたかった技を上手に当てられたシーンを何度も再生してみたりして、この時上手くできたな。またこういう試合をやりたいな。と思うとモチベーションが上がりました。

 勝てなかった日でも、勝てた試合は何日前のものでもいいので見直して、もしかしたら今ならもっといい動きができるんじゃないかな。等と上達を実感してみるのも良いと思います。

 

 上記のようなトレーニングを続けた結果、今、友人とはいい勝負が出来ていますし、勝ったり負けたりするのがとても楽しいです。

 なによりも、地道にトレーニングができたのはきっと、格闘ゲームが楽しくて好きになったからだと思います。

 上達には個人差もありますし、周りの環境も大きく関係していると思います。

 でも、どんなに上手な人でも常勝不敗の人なんていません。負けて悔しくてくじけそうになった時、一番その痛みを分かってくれるのは意外に長らく格闘ゲームをやりつづけてきた経験者の方なのではないかなと思います。

 そして、格闘ゲームを好きになって一生懸命頑張っている人を一番応援してくれるのも経験者の方々です。

 もし経験者の方から助言や力を貸してもらえるチャンスがあれば、「自分なんてまだまだだから。」と萎縮せず、胸を借りるつもりで甘えてみてもいいかも知れません。いただいたアドバイスは謙虚に受け止め、素直に練習に打ち込むと伸びられるのではないかなと思います。

 

 また、自分が好きで楽しめているゲームは仲の良い友人とも分かち合いたいと思うものです。

 「この人は興味なさそうだな。」と最初から諦めるのではなく「最近格闘ゲームをはじめたんだけれど、これがとっても楽しいんだよ。」と楽しんでいる様子を話してみると意外な人が興味を持ってくれるものです。

 私の職場の10歳以上年上の女性上司に話してみた時にも、「私は格闘ゲームは全くできないんだけれど、凄いわね。」と感心され、熱心に耳を傾けてくれました。

 遊びたいなと思う友人が少しでも興味を持ってくれる様子があれば、「一緒にやろう。」と声をかけてみても良いと思います。

 やるやらないはその人の都合でしょうが、声をかけて実際にやりはじめてくれた友人が私には数人いますので、楽しいという事を伝えて誘ってみれば案外興味を持ってはじめてくれたりしますよ。

 

 好きで楽しもうという気持ちさえあれば格闘ゲームはそんなにハードルが高くないと思います。

 伸び悩んだり忍耐力が必要な場面もありますが、気持ちを共有しあえる仲間を作れると気が楽になることだってあります。

 私はこれからも「好きだな。楽しいな。」という気持ちを持ち続けて、自分のペースで上達を目指したいと思っています。